独りの戯言


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感想戦

今日は「第31期竜王戦」の七番勝負第一局が行われた。一冠になった羽生竜王と広瀬八段の対局だ。私は(10時は過ぎるだろうな)と思っていたが、早めにチャンネルを合わせた。まあ、こんな場外乱闘のような将棋も珍しい。私が見始めたとき、羽生竜王は分が悪そうに見えた。粘ること粘ること、広瀬八段が二枚の龍を生かせないうちに、細かい差し手で逆転した。久しぶりに面白い将棋だった。

勝負が付いたとき、画面では羽生竜王が頭を下げたので負けたのかと思った。実際には広瀬八段から投了の声がかかったのだろう。この後一応最後までの手順を解説者が解説する。現場では、両者がしばらく考えた後、「感想戦」が行われる。自分たちの手順を振り返りながら、二人だけに理解できる言葉で検討をする。

この「感想戦」が私には、いまいち理解できなかった。相手に負ける悔しさを糧にして強くなってきた人達が、勝負が終わった途端、ぱっと緊張を解いて、旧知の友人のように(実際そうなのだろうが)、「この手は良かった」とか、「こんな手も考えられたね」と、二人で分析し合う。将棋にしろ囲碁にしろ、勝った負けたの怨みや驕りはそっと心にしまい込む。内心の悔しさが次の勝負に繋がるのだろう。

勝ってガッツポーズを作り、負けて落ち込んでいては、結局自分の職業として狭い世界の中では生きづらいのだろうな。きっと嬉しさや悔しさは、全部終わって自分の部屋に帰るまで、押し殺しているのだろう。これが私は「勝負師の礼儀」だと思う。羽生さん、まだ長いよ。

by zoofox | 2018-10-12 22:04 | 考えること | Comments(0)